Vol.78 2018年6月号
2018年06月01日
早いものでもう6月。
今年ももう半分過ぎようとしています。
時間はあっという間に過ぎていきます。
今できること、今したいことは
先延ばしにせず、すぐにやるのが一番ですね。
それでは今月も経営サポート隊通信を
元気にお届け致します!
【河合由紀子のちょっとイイ話】
ゴールデンウィークに、近江牛の老舗「毛利志満」さんの社長と後継者である事業本部長に事業承継のお話を聞きに行きました。これは、私が大阪校の代表を務めている『後継者の学校』のイベントとして企画したものです。今日は、印象に残っているお話を紹介させていただきたいと思います。
150年の歴史をもつ毛利志満さんの社長は、牛を扱うようになってから現在で5代目です。つまり、一代30年が受け持ちということになります。その30年の中で、前半の15年から20年くらいは、先代、先々代が蒔いてくれた種が実ったものを刈り取らせてもらう時期、そして後半の15年から20年くらいは次の世代のために種をまく時期と考えているとおっしゃっていました。若いころは、先代のおかげで多少失敗をしても大丈夫。だから失敗をおそれず、いろいろやってみたらいい。できたら失敗した方がいい、むしろ失敗してほしいと思っているということでした。痛い目にあうことが、その人を大きく育てるというのがその理由です。わかっていてもなかなかそのように実践できないことだと思いますが、ご自身がそのようにして育ててもらったというエピソードをお聞きして、それをまた次世代に実践しようとしておられることがよくわかりました。
後継者である事業本部長のお話では、次のような言葉が印象に残りました。他社で修業した後、戻ってきたが、全く畑違いの仕事をしていたため、最初何からしてよいかわからなかった。そこで、朝一番に出社して、一生懸命ひたすら掃除をしたり、レストランの洗い場で汗だくになってパートのおばちゃんと一緒に遅くまで残って皿洗いをしたり、とにかく一生懸命できることをしたということでした。「自分の会社を息子が一生懸命になって掃除してたら、社長からしたら絶対嬉しいでしょ?」という言葉に、社長に喜んで会社を引き継がせてもらうように戦略的に行動されていることがわかりました。また、「社長のカリスマ性や良いところは使えるだけ使わせてもらうのが、会社にとってベストの形だったら、使わない手はないですよね。」ともおっしゃっていて、承継する会社を引いた目線で冷静にみておられるように感じました。
経営者と後継者に横に並んでいただいて、私がコーディネーターとして質問をする役をさせていただきましたが、お二人とも相手の話を最後までよく聞き、反対の考え方にも耳を傾け、自然体でその場におられる雰囲気があって、とても良い形で事業承継を進めておられるのがよくわかりました。
事業承継のサポートをさせていただいていて、よく感じるのですが、経営者と後継者が一つのことに向き合ったり、考えを伝えあったりするのが難しい場合が多々あります。それは、目の前のことにこだわりすぎている場合に、良く起こるように感じます。「視座を高くする」という言葉がありますが、事業承継では、長期的視野で物事を考えると解決できることがたくさんあると感じました。
後継者の学校では今後もセミナーやイベントを企画しますので、お気軽にご参加くださいませ!








