経営サポート隊通信 | 大阪の経営支援ならプラス・パートナー
経営サポート隊通信
経営サポート隊通信

Vol.64 2017年4月号

2017年03月30日

こんにちは!!

皆さまお元気にお過ごしでしょうか?

4月は桜の季節ですね。

暖かくなってくるとウキウキするのは

何故でしょうか?

今月も元気に頑張りましょう!

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】

前回は、事業承継が親主導になる理由について書かせていただきました。今回は、どうすれば後継者が親主導ではなく自分の問題として事業承継に取り組むことができるかについて考えてみたいと思います。

「事業承継=相続」と考えることが、後継者が主体的になれない原因でした。では、事業承継はどのようにとらえれば良いのでしょうか?

「事業承継とは、後継者が価値を生み出すために、価値あるものを受け取る、超友好的な乗っ取りである」というのがその答えです。この定義は、私が所属する『軍師アカデミー』(http://gunshi.or.jp/)という後継者支援の専門家の団体の考え方です。「乗っ取り」という表現はちょっと物騒な感じを受けますが、事業承継が無事に完了した後は、経営者としての立場、権限、責任の全てが親から子に移っている状態になるわけですから、実態としては乗っ取りと同じといえるでしょう。

また、後継者が自らの問題として事業承継をすすめていくためには、「乗っ取る」くらいの強い意志が必要です。なぜなら、一般的な買収を想定したときに、乗っ取る側が積極的に動かない買収はありえないのと同様に、後継者も受け身の姿勢から能動的な姿勢に転換するには、「乗っ取る」くらいの気概が必要になるからです。

ただし、事業承継は敵対的な乗っ取りではありません。むしろ「超友好的」な乗っ取りなのです。事業承継が成功すれば、親も子も安心ですし、家族も社員も取引先も関係者がみんな幸せになることができるからです。そして、超友好的な乗っ取りには明確な目的があります。それは、「後継者が経営者になったあと、価値を生み出すこと」です。将来にわたって顧客によい商品やサービスを提供して、利益をあげ、社員の生活を守り、後継者自らも含めた関係者全員を幸せにすることが目的なのです。そのために「価値あるもの」である事業(商品、土地、建物、機械などの有形の財産や信用、ノウハウ、顧客、社員などの無形の財産)を受け取るのです。そして環境の変化にあわせてこれまでの事業を見直し、価値を生み出す新たな体制を再構築していくことが、本来の事業承継の姿なのです。

昨年の12月から5回にわたって事業承継について書かせていただきました。いかがでしたでしょうか?まだまだ先の話とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、時間はあっという間に経ってしまいます。何をどのように考えればよいのか、どのように準備すればよいのか、どんな内容でもご相談がありましたら、お気軽に是非ご相談ください。専門外の内容でも志を同じくする専門家と連携して対応させていただきます。


Vol.63 2017年3月号

2017年03月03日

こんにちは!

皆さまお元気にお過ごしでしょうか?

3月といえば桃の節句です。

最近ではひな人形を公開して、

地域に集客するなどのイベントもあるようですね。

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】

前回に引き続き事業承継のお話を書かせていただきます。

前回までの内容は、事業承継は後継者に会社の将来を託すことであり、後継者の成長が不可欠であるが、親主導になると後継者が受け身になってしまい、様々なことに主体的に取り組むことができないということを書かせていただきました。しかし、親主導の事業承継の形になっているのが一般的です。今回はなぜそうなってしまうのかについて解説したいと思います。

みなさんはもうお気づきかもしれませんが、「事業承継を相続と同じものである」となんとなく世間一般的に思われていることが、その理由です。経営者は事業承継を自分が死んだあとの話だと考え、後継者も親の財産を相続するのと同様に会社も継ぐと考えています。また、私たちのような税理士などの専門家も、事業承継対策といえば株価対策という認識でいる場合が大変多いです。

確かに、事業承継と相続は同時期に起こることが多いですので、良く似たものと考えてしまいがちです。しかし、そうすると、必然的に後継者は受け身になってしまいます。というのも、相続は親が亡くならないと発生しませんし、積極的に欲しいと言うべきものではないからです。誰に何を遺すのかを決めるのは親であって、子が決めるべきものではありません。そして、事業承継を相続と同じと考えてしまうと、事業承継も経営者が主体的に進めるものであって、子が口出しすべきものではないとなり、親主導型の事業承継になってしまい、周囲が触れてはいけないタブーとなってしまいます。

経営者は、自分がこの世を去った後のことまで考えたくないので、事業承継の話に触れられるのを嫌がりますし、後継者も事業承継の話を積極的にすることに対し、罪悪感をもってしまいます。親が元気なのに、死んだ後のことを話すのは不謹慎なことであり、ましてや会社の株主名簿や決算書を調べたりするのは、親が生きているうちに親の懐の中を覗いているようで、気が引けてしまうという感覚になります。同様に、専門家も事業承継について経営者に言い出しにくい雰囲気になってしまっています。

このような事態は、事業承継と相続を同じことと考えていることにより生じます。しかし、相続は亡くなられた時点での財産を確定した価値で受取るものですが、事業承継で受取るものは根本的に異なります。事業の価値は経営者次第で上がりもすれば下がりもします。つまり、価値が確定していない生きているものを、その命運を握る後継者が受け取ることというのが事業承継なのです。このように、事業承継は相続とは全く異なるものです。それを混同して考えることが事業承継を失敗させる根本的な原因なのです。次回はどうすれば後継者が自分の問題として事業承継に取り組めるかについて考えてみたいと思います。


Vol.62 2017年2月号

2017年02月03日

こんにちは!

お正月からあっという間に

1ヶ月が経ちました。

今月もしっかり頑張っていきましょう!

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】

前回は、事業承継の中心となるのは後継者であり、会社の「これまで」と「これから」をつなぐ重要な節目になることをお伝えしました。しかし、実際には親(現経営者)主導型の事業承継が多いように感じられます。なぜ、親主導型ではいけないのか?事業の事をよく分かっている人が中心となって進めるべきではないかと思わる方もいらっしゃるのではないかと思います。ここで、親主導型事業承継の弊害についてまとめたいと思います。

まず、事業承継は親(譲る側)にとってどのような意味を持つでしょうか?ワクワクする楽しいことでしょうか?そんなことはないというのが大半ではないでしょうか?本音は、「いつまでも自分が経営していたい」、「本当は任せたくない」、「自分が老いていくことは考えたくない」というところではないでしょうか。

また、株や経営権を渡すことができても、子(譲り受ける側)が自らの力でどのように会社を存続させ発展させていけばよいか、イメージしにくいということも考えられます。これは、親子であっても実際は子の人生ですので、当事者として考えにくいということがその理由です。だから、「こうしてみたら」と戦略を授けることができず、経営者としてどのように育てればよいかアイデアも思いつきにくいのです。

さらに、経営者として現状の会社を回すのに手いっぱいで、将来のことを考える余裕がないという場合もあります。

しかし、最大の問題は子が事業承継をあたかも他人事のようにとらえてしまい、全てが親任せになってしまうということです。そのような後継者は、会社の将来を考えようとはしません。決算書や株主名簿を見て自社を知るという努力もせず、自らの能力を伸ばす努力もせず、当事者としての自覚や責任感が育ちません。跡を継いで経営者になるかどうかは、親が決めることであり、自分はそれに従うだけという受け身の感覚でいるため、事業承継自体が親に押し付けられたように感じる場合もあります。そんな状態では、なんだか自分の人生を歩んでいる気がせず、仕事に身が入らないということにもなってしまいます。

つまり、事業承継を親主導で進めた場合、子が主体性をなくしてしまい、受け身の状態になり、経営者としての自覚と力が身につかないため、自ら将来を切り開いていくことができなくなってしまうのです。

とはいえ、親が主導の事業承継になってしまっている場合が多いのも事実です。なぜそうなってしまうのでしょうか?その理由については、次号に詳しく書かせていただきます。


Vol.61 2017年1月号

2017年01月11日

新年あけましておめでとうございます!

お客様の

“未来を創るお手伝い”

を合言葉に、一同邁進してまいります!

本年も何卒よろしく

お願い申し上げます!!

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】

年末に事業承継のお話を少し書かせていただきました。事業承継には次代を担う経営者が不可欠ですが、なかなかバトンタッチできないという内容でした。当たり前のことのようですが、企業の継続には「後継経営者」が必要です。しかし、後継経営者候補がいたとしても、なかなかスムーズに引き継げない現実があります。それはなぜでしょうか?

まず、経営者としての経験の違いがあげられます。会社の歴史とともに様々なことを乗り越えて歩んできた現経営者と異なり、後継経営者にとっては身の丈に合わない会社を運営していくことになる場合がほとんどです。また、会社が置かれた環境の変化による従来のビジネスモデルの劣化も考えられます。会社が置かれる環境は刻々と変化しています。ビジネスモデルは30年が周期といわれてきましたが、今では5年でガラッと環境が変わってしまう場合も多くなりました。さらに、ゼロから事業を立ち上げるのとは異なり、社内外の様々な人間関係が既に存在し、その中で後継者が力を十分に発揮できるような関係になるために時間がかかることも考えられます。他にも様々な要因が考えられますが、一つ一つの解決策を考えるよりも、「事業承継の成功」について考えることにより、まずは大枠で事業承継を考えてみましょう。

「事業承継の成功」とは何かイメージされたことはありますか?事業承継は、単に株や経営権を後継者に移しただけでは成功とはいえません。その後に後継者が経営に失敗して、会社が傾いてしまっては何の意味もありません。事業承継は、後継者がしっかり跡を継ぎ、企業を存続させ発展させたときに、はじめて成功したといえます。

しかし、譲る側の経営者は、自分が引退した後の企業の将来にまで責任を持つことはできません。株や経営権を譲ることはできても、その後の運命を握るのは、受け継ぐ立場の後継者なのです。事業承継の取り組みは、単に株や経営権を移す話ではなく、未熟な後継者が経営者としてどう成長し、今後どのように会社を発展させていくことができるか、ということが重要なのです。

つまり、事業承継は、これまでの延長線上に未来を描くのではなく、「これまで」を整理し「これから」を考える重要な節目になる大切な時期と認識し、後継者が主体的に未来を描くことなのです。

しかし、現実的には親(現経営者)主導型の事業承継が多いように思います。次回はその弊害についてまとめたいと思います。


Vol.60 2016年12月号

2016年12月02日

こんにちは!!

12月になりました。

皆さまお元気にお過ごしでしょうか?

今月も経営サポート隊通信を

元気にお届け致します!

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】

企業の「成長」と共に私が大切に考えているのは「継続」です。

人間はいずれ命がなくなってしまいますが、組織として活動している限り企業には永遠に継続する可能性があります。「企業が継続すること」は社会にとって様々なメリットがあります。例えば、継続的な雇用が確保される、技術やノウハウが消滅しない、良い組織の風土が受け継がれるなどが考えられます。逆に言えば、社会にとって継続するメリットがなくなってしまった企業は、いずれ自然に淘汰されてしまうということかもしれません。

企業が継続する上で最も大切なことは何でしょうか?資金、ビジネスモデル、人、色々なことが考えられます。しかし、最も大切なことは、これらの様々な要素を使って企業を継続させ、成長発展させるための指令を出す経営者ではないでしょうか。いくら良い道具がそろっていても、それを使う人次第で道具は活かされる場合もありますが、役に立たない場合もあります。企業にとって、道具を使うのは経営者です。経営者が変われば状況はすっかり変わります。中小企業にとって社長の交代は一つのおおきな節目になります。

昨今、社長の平均年齢が上がってきており、既に60歳を超えています。社長交代つまり事業承継の重要性は世間でも頻繁に話題になり、よく分かっているという社長も増えてきました。ただ、実際には社長交代はあまり進んでいません。これはどうしてなのでしょうか?

まず、事業承継に取り組もうとしても、様々な不安や悩みが障壁として立ちはだかります。例えば、譲る側(経営者)は「息子が頼りなくていつまでも任せられない」「社内に後継者候補がいない」「事業承継でやるべきことがわからない」といった不安を抱えています。また、継ぐ側(後継者)は「親父がいつ譲ってくれるのか全くわからない」「親父がいつまでたっても自分に任せてくれず困る」「こんなに厳しい会社を継ぐ気はしないが、仕方ないか」といった不安や悩みを抱えています。従業員は「社長が辞めたら次はだれが継ぐのだろう」「本当にあの頼りない息子で大丈夫か」「会長の親父と、社長の息子の言うことが違う。どちらを向いたらよいのかわからない」といった具合です。これらの迷いや不安はどれも良く理解できるものですが、いつ決断し、何から解決していけばよいかわからないまま月日だけが過ぎていくという状態になっているのが現実ではないでしょうか。

このまま時間だけが過ぎてしまうと会社を清算せざるをえない、あるいは最悪の場合倒産といった結果になってしまう可能性も考えられます。ではどうすれば良いのでしょうか?

その内容については次号から詳しく解説していきます。


Vol.59 2016年11月号

2016年11月22日

こんにちは!!

11月になりました。

皆さまお元気にお過ごしでしょうか?

今月も経営サポート隊通信を

元気にお届け致します!

  

【河合由紀子のちょっとイイ話】(『週刊東洋経済』2016年9月3日号 P72~73)

雑誌『週刊東洋経済』が初めて松下幸之助に行ったインタビューが再掲載されていた記事がありましたので、内容を一部ご紹介したいと思います。

「事業家として立つことを決心されたのはいつ頃ですか?」との問いに対し、松下幸之助は下記の様に答えています。

「僕が事業家として立とうと思ったのは…。さあ問題や、商売をしようと思ったのと、事業家として立とうと思ったのとではちょっと意味が違う。商売をやろうと思った動機はあるのですが。それは体が弱かったからです。僕はある会社に勤務しておった。電灯会社の職工をしていたのです。当時肺尖を患っておったのでときどき熱が出るんです。(中略)そういう状態で結婚して夫婦でおったわけですから、その日の生活の脅威というものを感じます。そこでせめて3日休んでも収入のあるようなことをしてみたい。それには商売がよかろう。ぜんざい屋がちょうどいい、ぜんざい屋でもしようかと考えたのです。細君にもぜんざい屋ならできるだろう。こういうことを考えて商売をすることになったのですが、さて、ぜんざい屋をするというときになって、たまたまソケットというものを考えて、ぜんざい屋をやめてそれをしたということなんです。だから遠大な計画があってのことでも何でもないのです。

やがて200人になり250人の規模になったとき、初めて事業家としての使命が何かあるんじゃないか、それはどこにあるのかということを考えた。それはどんな考えかというと、当時個人経営でしたが、この仕事は個人のものと違うと思った。世間から委託されているものであって、だからその委託者に忠実に仕事をすることが、事業家としての使命である。こういうことを考えた。だから私事を許さない。それ以来は個人経営だけれど個人のカネと店のカネを区別した。そしてずっと毎月決算して、当時幹部もできていたので、その幹部にも見せ、今月は諸君の努力によってこんなに儲けたと、毎月利益を発表しました。」

最初は、何とか生活を安定させたいという想いで起業したけれど、規模が大きくなるにつれ、個人経営から事業家の使命に目覚めていく様子がよくわかります。また、体が弱く人に任せざるを得なかったことが、逆に幸いして、企業を大きく発展させることができたということも記事にはありました。ただ、任せたままにするのではなく、最終的には自分がやる覚悟はもっていたともありました。運ももちろんあったとは思いますが、考え方価値を生み出していったことが良くわかります。


-
お試し診断はこちら