経営サポート隊通信 | 大阪の経営支援ならプラス・パートナー
経営サポート隊通信
経営サポート隊通信

Vol.76 2018年4月号

2018年04月10日

つい先日まで寒い日が続いていましたが

一気に暖かくなり桜も満開。

すっかり春ですね。

今月も経営サポート隊通信を

元気にお届け致します!

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】

先日ご紹介いただき、近江八幡の近江牛専門の牧場とレストラン「毛利志満」を運営する会社の社長と後継者の方とお話する機会をいいただきました。創業明治2年の会社で、現社長は5代目ですので、後継者の方は6代目ということになります。

 社長は開口一番、「私どもはまだまだ歴史が浅いのでお恥ずかしいのですが」とおっしゃいました。確かに、近江には歴史のある企業が多くあり、地域のお付き合いの中ではそのように感じられているのかもしれません。しかし、時代の変化に応じて業態を変えてこられ、100年以上の歴史を紡いでこられたお話はとても興味深いものでした。

 お話の中で、「大きくなることよりも続けることを大切にしています。」という言葉が印象に残っています。続けるためには次世代のための種まきが必要で、つまり、同じことを繰り返して事業が続くわけではなく、続いていくためにはどのように変化しなければならないかを常に考えているということをお話いただきました。商売のタネは常に考えていて、しかししっかり時機を見てやるべき時にやることが大切であるということでした。仮に自分の時代には時期尚早な投資であれば、次世代、あるいはその次の世代が引き続き考え、来るべき時が来た時に実行してくれればいいという、超長期的視点でものを考えていらっしゃるということでした。

 他にもたくさんためになるお話を聞かせていただきました。是非皆様に共有させていただきたいと、イベントを企画いたしました(プラス·パートナーの仲間の「後継者の学校」主催です。)

「近江商人について」や「事業承継に対する考え方」などを、トークセッション形式により親子で対談いただき(コーディネーターは私です)、レストラン毛利志満さんで近江牛を堪能するというものです。是非ご参加くださいませ!詳しくは別紙チラシをご覧ください。

 

お申し込みお問合せは、河合税理士事務所までお電話または担当者までお願いいたします!


Vol.75 2018年3月号

2018年04月10日

まだまだ寒さが残りますが、

少しずつ春の気配が感じられるようになってきました。

それでは今月も経営サポート隊通信を

元気にお届け致します!

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】
(「マッキンゼーが予測する未来」マッキンゼー・グローバル・インスティテュート ダイヤモンド社)

 今月は、世界的に有名なコンサルティングファームであるマッキンゼーのシンクタンクに所属するコンサルタントたちが、マクロ経済データとそれを裏付けるミクロの洞察から導き出した超長期予測についてまとめた書籍「マッキンゼーが予測する未来」を取り上げたいと思います。

 まず最初に、未来を想定し現在の戦略を考えるために、直観力をリセットしなければならないとしています。『世界は今、破壊的な力をもつ4つの根本的なトレンドによってもたらされた劇的な変化のほぼ中途にある』というのがその理由です。4つのトレンドとは ①経済の重心の移動 ②テクノロジー·インパクト ③地球規模の老化 ④「流れ(フロー)」の高まり であるとしています。その内容を簡単に説明すると、「経済の重心の移動」とは、先進国と呼ばれる国々から新興国と呼ばれる国々、さらに今は名も知られていないようなその地方都市に移っていくということ。「テクノロジー·インパクト」は起業した人に驚異的な拡大のチャンスをもたらし同時に企業や製品のライフサイクルを短くしていく。また、「地球規模の老化」は労働人口の減少をもたらし、政府に財政負担の圧力をかけることにつながる。さらに「フローの高まり」とは、貿易、資本、人、情報の移動により世界が相互に結合する度合いが高まることが世界経済に大きなインパクトを与える。ということです。これらの世界の大きな変化は、遠い国で起こっている私たちには関係のないことではなく、事業や生活と密接に結びつき、私たちの身近なところでも大きな変化をもたらします。

 では、その大きな変化にどのように対応していけばよいのか、本書はヒントを提供してくれています。

 『外部環境の変化が進んでくると、素早く変化に適応できる企業は、新しい機会をつかむことができるだろう。しかし、それができるのは、企業のリーダーが、コストが高すぎるとか、守りに入って防御的すぎるとか、「まだ何かわかってもいない未知のこと」を理由にして取り組まないのではなく、敏捷性を優先し、重きを置く場合に限られる。残念なことに、敏捷性の唯一の代替案は「待って様子を見よう」というアプローチしかないのだが、そうしてしまうと誰も良い結果は得られない。21世紀には、敏捷に動くために、必ずしも高額な資本の先行投資が必要になるわけではない。新しい地域本社の代わりに小規模なサテライト営業所を開設する、大きな店舗の代わりに百貨店内にポップアップ·ストアを出す、(中略)継続的改善活動のスキルを磨くといったことのすべてが、企業が破壊的な変化に素早く対応し、実験を重ねる方法なのであり、安定した環境での継続的改善の成果を着実に得ながらであっても、実施できることなのだ。(中略)最後に、最も重要な点として、どのリーダーも、これからの時代がもたらす有望な機会にではなく、さまざまな危険に焦点を当ててしまいがち、という誘惑に打ち勝たなくてはならない。(中略)近年、たしかに悲観論者の肩を持ちがちな時期は多かったものの、数多くの指標の長期トレンドを見ると、右上に向かっていることを指摘しておきたい。(中略)過去のトレンドが破壊される時代であっても、楽観主義のほうが結局は時代を制する、と私たちは確信している。』

 世界の変化を知り、これまでの常識を疑って戦略をリセットする、これは大企業に限らす中小企業にとって成長のために「今」すべきことだと言えます。


Vol.74 2018年2月号

2018年02月01日

寒い日が続きますが

皆さんお元気でおすごしでしょうか?

それでは今月も経営サポート隊通信を

元気にお届け致します!

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】

(「アマゾンが描く2022年の世界」中田道昭PHPビジネス新書)

 今月は、「アマゾンが描く2022年の世界」という本の中から、アマゾンが短期間で急成長を遂げた理由の一つと考えられる組織的、制度的な大企業病を回避するためのルールについて紹介したいと思います。

 アマゾンの創業者であるジェフ·ベゾスは、「DAY1」という言葉にこだわりを持っています。「DAY1」とは「(創業して)まだ1日目」という意味で、ベゾスがよく口にする言葉です。これは、常に創業当時の精神を持ち続けることを意味します。これに対し「DAY2」は、創業当時の精神を忘れて衰退していく大企業病を非難する意味でベゾスがよく使う言葉です。

『ベゾスはアニュアルレポートのなかで「DAY2の会社の意思決定は遅い。DAY1のエネルギーとダイナミズムを維持するには、質のよい迅速な意思決定が不可欠である」と結論づけています。しかし常識的に考えて、創業したばかりで小回りの利くベンチャーにはそれが容易にできて、大企業になるほど難しくなるのは避けがたい。そこでアマゾンでは意思決定において4つのルールを定めています。

〈ルール1〉意思決定を2つに分類する。意思決定には後戻りできるものと、できないものがあります。後戻りできるものに関しては失敗する可能性も織り込みつつどんどん決定すればいいが、後戻りできないものは深く議論するという方針を取ります。ベゾスにしてみれば、これは「小さな意思決定はメンバーに任せる、大事な意思決定のみ自分もコミットする」という態度の表明でもあるのでしょう。

〈ルール2〉70%の情報から意思決定する。情報が集まるほど意思決定の制度は高まりますが、100%の情報を集めようとすると、いつまでも意思決定できないままになってしまう。そこで、70%程度の情報が集まった時点で意思決定すると割り切るのです。「軌道修正が得意ならば、間違えるコストは大したことがなく、遅いことのほうがよほど高くつきます」とベゾスは言います。(中略)

〈ルール3〉反対してからコミットする。簡単に合意するな、意見があれば妥協せずに議論しなさい、しかし一度決まったことにはコミットしなさいということです。(一部要約)

〈ルール4〉部所管の利害対立を理解する。チーム間でも意見の相違があり、議論してもそのギャップを埋めがたいことがあります。そんな場合は議論を繰り返して疲弊する前に、上層部に判断させること、』とレポートにあります。

 特に中小企業では、意思決定はすべて社長がしているという会社も少なくないと思います。しかし、全ての意思決定を社長がしていてはやはりスピード感に欠けますし、何より会社のメンバーが考えることをやめてしまい、せっかくの能力を活かしきれない状態になっていくのではないでしょうか。アマゾンには能力のある人が集まっているからできること、と遠い世界のこととして切り分けて考えるのはもったいないと思います。もちろん同じようにする必要はありませんが、意思決定のルールを決めることは会社と人の成長につながるのではないでしょうか。


Vol.73 2018年1月号

2018年01月01日

お客様の未来を創るお手伝い

をモットーに、一同邁進してまいります!

本年も何卒よろしく

お願い申し上げます!!

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】

新しい年が始まりました!

今年はどんな年にしたいと思っておられるでしょうか?

昨年末に、天皇陛下の退位日が2019430日に決定したことが明らかになりました。

これまで、崩御により承継されていた天皇の地位が、計画的に承継されることになった背景には、様々な事情があろうかと思いますが、やはり、計画的に準備できる方が混乱も少なくスムーズに移行できるというメリットが大きいのではないかと思います。

歌舞伎の世界を見てみますと、大きな名前が代々襲名されていきます。例えば、昨年には松本幸四郎が松本白鸚を、市川染五郎が松本幸四郎を、松本金太郎が市川染五郎を親子三代で襲名しました。

天皇も歌舞伎役者も、長きにわたり伝統を引き継ぎ、また次の世代につなげていくということを繰り返して歴史が守られています。

産業に目を向けますと、AIIOTなど技術の進歩により、生活は快適になり、一方で人間でなければできない仕事の範囲は狭くなっていくといわれています。それは遠い未来の話ではなく、すぐそこに見えている未来に起こる事実です。

これまでの人間の歴史を振り返りますと、技術革新は18世紀の蒸気機関による機械化、20世紀初頭の電力による大量生産、20世紀後半からのコンピューターによる自動化と進んできました。この先AIIOTにより、いわゆる第4次産業革命が起こると言われていますが、どのような社会が実現するのかは、まだおぼろげな状態です。

ただ、確かに言えることは、今、私たちは、変革期の真っただ中にいるということです。つまり、どんなビジネスにもチャンスはあるし、どんなビジネスも衰退する可能性があるということです。

天皇や歌舞伎役者のように、準備をして期限を決めて大切なものを引き継いでいくこと、そして、変化の波に飲み込まれず、変化をとらえて自ら変革していくことが、これからの時代を生きていくために大切なことではないかと思います。


Vol.72 2017年12月号

2017年12月01日

こんにちは!!

早いものでもう12月、

今年ももう終わりですね。

何かと気ぜわしい年末ですが

年内に終わらせることは終わらせて

新しい年を迎えたいものですね。

それでは今月も経営サポート隊通信を

元気にお届け致します!

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】

(「ジョブ理論」クレイトン・M・クリステンセン ハーパーコリンズ・ジャパン)

今月は、ハーバード・ビジネス・スクールのクリステンセン教授の著作であり、最近日本語に翻訳された「ジョブ理論」という本のなかから、面白い一節をご紹介したいと思います。

『BMWは長いこと同社のビジネスを高性能車として位置付けてきた。ためらいも見せずに〝男の車″と広告を打っていた時期もある。だが、2008年初頭の景気後退による自動車業界の急落を受け、BMWの経営陣はいったん立ち止まって、消費者が車を雇用してどのようなジョブを片付けようとしているのか見きわめようとした。そこで発見したものが、競争の勢力図の見方を一変させた。環境にやさしい低燃費車への需要が高まり、都市化や運転免許を取得する若者の減少などが合わさって、本当のジョブはモビリティだということにBMWは気づいた。「A地点からB地点へ楽に移動したい」。BMWはもともと従来の高級車と競っていたが、実はテスラ、ウーバー(インターネットを使ったタクシー配車システム)、ジップカー、それにグーグルの自動運転プロジェクトとも競っていたのだ。(中略)

それにより、ハイブリッド電気自動車のBMWiシリーズが生まれ、さらには、ベルリン、ウィーン、サンフランシスコ、ロンドンで、ジップカーのようなカーシェアリングの試験プログラムも始まっている。「私たちは供給側から需要側へと視点を変えた」、つまりは、プロダクトを売ることからジョブに応えることへシフトしたのだ。この発想自体が、ディーラーを最優先顧客とみなしてきた自動車メーカーの体質に大変革をもたらすものだった。誰が顧客なのか、顧客は何を気にかけるのか、その一度の飛躍で劇的な変化が起きる。見方を変えたBMWで劇的な変化が起きたように。』

クリステンセン教授は破壊的イノベーション論で有名ですが、ではどのようにすれば論理的にイノベーションを成功させることができるかについて、これまで誰も言及してきませんでした。この課題に取り組みその答えを見つけるための理論が「ジョブ理論」です。

上記にBMWの例を挙げましたが、本書の中でクリステンセン教授はこのように具体的な例をたくさん挙げています。イノベーションは特に大きな変化が起きる時代に、企業が生き残り、成長するために必要不可欠です。そして、今まさにその転換期にあるのではないでしょうか?

わが社の顧客は誰なのか、競争相手は誰なのか、顧客は顧客のどのような課題を解決するために私たちの製品又は(サービス)を雇用する(買う)のかについて深く考え、生きていく道を再検討する時だと思います。

 


Vol.70 2017年10月号

2017年10月03日

こんにちは!!

今年も残り3ヶ月になりました。

皆さまお元気でお過ごしでしょうか?

今月も経営サポート隊通信を

元気にお届け致します!

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】

(「藁のハンドル」ヘンリー・フォード著 竹村健一訳 中公文庫)

大量生産を可能にすることにより、自動車を庶民のものとしたヘンリー・フォードは、創業当初はほんのわずかな従業員を雇用する小工場から、わずか18年で直接雇用する人は20万人、関連する協力会社の従業員を含めると60万人もの人々を雇用するまでになりました。その経営に対する考え方はどのようなものであったか、彼の著作である「藁のハンドル」から引用して考えてみたいと思います。

『労働者は、売り手である以上に買い手である。車輪の回転にはずみをつけるのは買い手側である。商品は一般の人々に買いやすいようにすることである。それが仕事をつくり、賃金を生む。それが事業拡大と、より大きなサービスのための余剰を生むのだ。それをなしとげるのは、経営者の責務である。労働者はどんなシステムのもとでも働くし、労働者にとっては、その生産方式が最良のものであるかどうか、人間の作業や材料から最大の成果が得られているかについて考えるのは、彼らに課せられた義務ではなく、実はどうでもいいことなのである。いずれにせよ一日働いたことに変わりはない。一日の仕事の相違は、その生産物の価値に現れる。そして、ここにこそ経営者の職務がある。』

フォードは、本書のはじめに「資本」「労働」「大衆」の利益は一致するものであると言っています。つまり、資本(会社)が利益を多く取って、賃金を下げ、顧客からも不当に利益を得れば、まわりまわって経営はうまくいかなくなる。なぜなら労働者は売り手である以上に買い手であるから、買い手の懐が乏しくなれば、不当に高い製品は購入されなくなるということを言っているのです。そして、経営者の仕事は、そのバランスをいかに考え整えるかであると言っています。

本書は1926年に書かれたものですが、現在にも通じるところがあるのではないでしょうか。情報が複雑化し、日々様々なものが変化する現在において、経営判断は大変難しいものです。ですから、情報を多くの人から集めるのは大切なことですが、企業の形をデザインすること、言い換えれば方向付けることは経営者にしかできません。そしてその成果は生産物(あるいはサービス)の価値になって現れるとフォードは言っています。

社会に価値をどのようにして生み出し、その価値をどのように配分するかを決めるのが経営者の仕事であり、それは、大規模な企業であっても中小企業であっても変わりはありません。多くの便利なツールが安価に使えるようになった現在において、むしろ中小企業の方が機動力の面で優位な部分も大いにあり、経営者の意思決定次第で中小企業にチャンスがある環境が整ってきているとも言え、なんだかワクワクするのは私だけでしょうか。

 


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