Vol.89 2019年5月号
2019年05月13日
こんにちは!!
5月になりました。
今年は元号の変わる特別な月ですね。
良い時代となるよう少しでも貢献できれば、そんな気持ちになりました。
それでは、今月も経営サポート隊通信を元気にお届け致します!
【河合由紀子のちょっとイイ話】
(「トヨタ生産方式の原点」大野耐一著 日本能率協会マネジメントセンター)
今月は、「トヨタ生産方式の祖」「かんばん方式の創始者」と言われる大野耐一氏の言葉をまとめた本の中の『大野語録』から言葉を抜粋してご紹介したいと思います。業種を越えて参考になる言葉が多いです。
『トヨタ生産方式の基本 一番基本的なものの考え方というのは、売れる物を、売れるだけ、売れるときに、できるだけ安くつくる方法というものを開発していくことである。段取り替えのシングル化や「かんばん」だけが、トヨタ生産方式ではない。』
トヨタ生産方式というと、パッと浮かぶのがかんばん方式ではないでしょうか?しかし、かんばん方式が導入された理由は?と問われると、明確な答えを持ち合わせていない方も多いように思います。原点はこの考え方だということをどんな業種でも忘れてはいけないですね。
『価値(Value)と価格(Price)を混同してはならない。製品がその価格で売れるのは、顧客にとって価値があるからである。製造原価が上がれば価格を上げても仕方がないと安易に考えてはいけない。価格が上がり、値打ちが変わらなければ、顧客はやがてその品物を買わなくなるだろう。』
顧客の立場で考えれば当たり前のことですが、販売する立場になると、原価が上がったのだから販売価格が上がって当たり前と考えてしまうところがあります。顧客はあくまでその製品の価値を見ています。
『売れない物をいくら能率よく安くつくっても、その会社は貧乏するだけである。』
売り続けているものは特に、売れなくなってくると効率を良くして原価を下げようと努力しますが、そもそもその商品の市場でのニーズがあるのかどうか、売れなくなってきているのであれば能率よく安くつくっても意味がありません。
『マン・アワー(Man Hour)の計算はできるが、その結果、「人不足だ」「やれない」と判断するのはいけない。マン・パワー(Man Power)は、決して推し量れるものではない。知恵を出すことによって、能力は無限に拡大される。』
マン・アワーを計算した時点でのマン・パワーであればできないという判断になっても、知恵を出せば能力が上がり、マン・アワーの計算が変わり人不足でできないということにならないのですね。