Vol.41 2015年5月号
2015年05月25日
こんにちは!
急に暑くなってきましたが
いかがお過ごしでしょうか?
それでは、今月も元気に
経営サポート隊通信をお届けいたします!!
【河合由紀子のちょっとイイ話】
(致知2015年4月号『対談 経営の神髄 山本良一・川田達男』)
目まぐるしいスピードで変化する現代社会の中で、かつて隆盛を極めながらも衰退していった産業は少なくない。繊維と百貨店小売業もその一つだ。しかし、そのような逆境の只中にあって、常に新しい発想で挑戦と変革を続け、大きな光を見出している企業がある。セーレン会長兼CEO川田達男氏とJ・フロントリテイリング社長山本良一氏の対談です。
川田:…我々はいままでの繊維産業の常識を全部打ち破ろうということで、様々なことに挑戦しています。…もともと繊維産業というのは綿やシルク、麻などの天然繊維から始まっていますから、基本的には農業なんですね。一年に一回収穫をして、一年がかりでものをつくる。いまは合成繊維が取って代わりましたけれども、発想自体はそのままです。そのため、ものづくりの工程もすべて分業制で、原糸を作る糸屋、それを織ったり編んだりする機屋とか編み屋、染色屋、問屋、販売店と、分かれているんです。そうしますと、総合的にコストや品質の管理ができない。で、我々は原糸から小売まで全部内製化して一貫生産しようと。これはまさに業界の非常識でして、周りから村八分で叩かれておりましたけれども。
山本:パイオニアとして牽引しておられると。
川田:いやいや、いまのところは異端児です。まあ、これには相当時間と労力がかかりました。それまで染色加工業の会社が原糸や縫製の仕事をすることは、習慣として絶対になかったですから。ところが、そういう思いを抱き続けていると運やチャンスが巡ってくるんでしょうね。カネボウが経営破綻しました。再建不能の会社でしたけれども、敢えて我われは火中の栗を拾って、カネボウ創業以来の事業だった繊維事業を2005年に買収したんです。
山本:あの時は、いわば下請けが元請けを買収したということで、大きな注目を集めました。
川田:斜陽産業である繊維産業の中で、しかも再建不能の会社を買収するなんて考えられないということで、同業者からも「そんなのは絶対買うべきじゃない」って言われました。ただ、結果として我われはこれを二年で黒字化させましたし、一貫生産を実現することができたわけですから、大きな飛躍の転機になったと思います。それからかつては繊維産業=衣料だったんですけれども、いまは96.8%が輸入で、日本でつくっているのはたった3.2%なんです。そこで我われの繊維の技術を非衣料産業の中で生かすことができないかと。…またファッションにおいても、一貫生産体制とITを駆使した独自のデジタルプロダクションシステムを世界で初めて開発しましてね。最終的な夢としては、バーチャル上で自分の好みに合う服を自由自在に着せ替え、「自分だけの一着」を手に入れることができるというものです。…
いかがですか?斜陽産業と言われても生き残る方法を模索しながら懸命に革新していく姿が企業に変革をもたらしたのが良く分かります。「生き残るのは変化に対応したものだけ」と本文にもありました。
(記事の続きにご興味のある方がいらっしゃいましたらおっしゃってください。お渡しいたします。)








