2026年11月の金言
2026年11月02日



2026年11月の金言
2026年11月02日

Vol.179 2026年11月号
2026年11月02日
今年も早いもので残りあと2ヶ月になりました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
今月も元気に経営サポート隊通信をお届けします!
【河合由紀子のちょっとイイ話】
今月も先月に引き続き、一倉定氏の著書『新・社長の姿勢(日本経営合理化協会出版局)』から「正しいワンマン経営とは」の部分を抜粋してお届けしたいと思います。一倉定氏は社長を厳しく𠮟りつけながらも、親身になって対応策を練る経営コンサルタントの第一人者です。今月は社長の責任と社員の責任の違い、正しいワンマン経営とは、について書かれた部分をご紹介いたします。
『「社長の責任において決定する」という意味は「結果に対する責任は社長が負う」と言う意味である。それだけではない。「社長が知らないうちに起こったこと」でもすべて社長の責任なのだ。会社の中では、何がどうなっていようと、結果に対する責任はすべて社長の責任なのだ。
これに対して、社員の責任は「実施責任」であって「結果に対する責任」ではないのだ。方針や指令を忠実に行う実施責任だから、もしもこれらを実施しなければ「不実施責任」を負わなければならない。方針や指令を忠実に実行していれば、結果がどうであれ、その責任は追及されない。これは、方針や指令が誤っているから結果が悪いのである。
以上が責任というものに対する正しい考え方である。
この点が明らかになっていないと、会社の中に無用な行動が起こったり、責任回避のための奇妙な習慣や複雑な手続きが生まれてくるのである。
“独裁すれど独断せず”はワンマン社長の基本的態度であり、未来指向、外部指向、構造指向こそ社長の関心と思考の正しい方向である。以上のことをふまえて、では“正しいワンマン経営”とは何ぞやということになる。その基本条件を考えてみよう。
正しいワンマン経営とは
1.社長は、自らの経営理念にもとづく我社の「未来像」をもち
2.その未来像を実現するための目標と方針を、自らの意志と責任において決定し、これを、“経営計画書”に明文化する
3.経営計画を、社員によくよく説明して協力を求める
4.経営計画の最も重要な施策は自ら取り組み、他は任せる
のである。』
未来は誰にもわかりませんが、我社がありたい姿を描きけるのは社長だけです。社員に任せる事と社員の責任と、社長が実施する事と社長の責任はしっかり分けて考え、社長は社長の仕事、社員は社員の仕事をしなければならないと、一倉氏は説いています。
次回は、正しいワンマン経営はどのようにして実現するのか、具体的に書かれた部分を紹介していきたいと思います。
2026年10月の金言
2026年10月01日

Vol.178 2026年10月号
2026年10月01日
秋らしくなってきましたね。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今月も元気に経営サポート隊通信をお届けいたします!
【河合由紀子のちょっとイイ話】
今月から、一倉定氏の著書『新·社長の姿勢(日本経営合理化協会出版局)』から「正しいワンマン経営とは」の部分を抜粋してお届けしたいと思います。一倉定氏は社長を厳しく𠮟りつけながらも、親身になって対応策を練る経営コンサルタントの第一人者です。
『社長とは「経済に関する危険を伴う意思決定」をする人である。そして、
1.関心と行動の焦点を未来に合わせ
2.市場と顧客の要求の変化に対して絶えず革新を行い
3.高収益型事業を創りだす
ことこそ社長の役割である。外部指向、未来指向、構造指向、これこそ社長の基本的態度である。外部情勢は絶えず、しかも急速に変化してゆく。グズグズしていると、会社はたちまち市場から置いてけぼりを食ってつぶれてしまうのである。外部情勢の変化を正しく把え、それが我社の経営にどのような影響を与えるかを考え、その変化に対応して我社をどう変えてゆかなければならないかを決めなければならない。その対応には少なくとも三年や五年はかかる。十年かかるかも知れないのである。ここに未来指向がある。十年後をにらみ、五年後の我社の姿を想定し、これに向かって我社をつくりかえてゆかねばならない。それは、いま出発しなければ間に合わないと考えなければならない。五年後、十年後こそ社長にとっては現在なのである。
スター精密㈱は、かつてはカメラと時計のネジのメーカーだった。十数年前に、時計の電子化が始まった。佐藤社長は電子時代の到来を予測して、自らの会社をエレクトロニクス会社への転換を決意したのである。メカの会社をエレクトロニクスの会社にかえようというのである。そして、言語に絶するような苦労の末に、ついに転換に成功したのである。佐藤社長は「一倉さん、こんな苦労だけは二度としたくありませんよ」と私に語った。奇跡ともいえる大事を成しとげた人の言である。部外者の想像を絶する苦労であったろう。このエレクトロニクスへの転換は、決定ではなくて“決断”といったほうが正しいのではないだろうか。決定と決断については、クラウゼビッツが明快な解釈を下している。決定とは幾つかある手段の中での選択であり、決断とは無気味な暗雲の中への賭けである、というのである。
社長の決断や決定は、すべて外部への対応であり、未来指向である。それは社員の知らない世界のことであり、社員に意見を求めても意味のないことが多い。意見を求めるのは社内よりもむしろ社外の人が多いのだ。それどころか、重要な事ほど社員に意見を求めるわけにはいかないのである。これが事業というものである。このことを、平素から社員に話をして理解させておかなければならない。これをやっておかないと、経営を知らない社員は「うちの社長はわれわれに相談をかけてくれない。ワンマン社長で困ったものだ」というような全くのトンチンカンな見解をもってしまうという危険があるのだ。
また会社の内部の事情を無視した決定をしなければならないことも起る。これは外部への対応として止むを得ないこともある。事業とは市場活動なのだ。市場の変化への対応を誤ったなら、会社をつぶしてしまうからである。』
いかがでしたでしょうか。多くの社長と苦楽を共にしてきた一倉氏だからこその視点が感じられると思います。来月は、社長の責任と社員の責任の違いや正しいワンマン経営について書かれている部分をご紹介します。
2026年9月の金言
2026年09月01日

Vol.177 2026年9月号
2026年09月01日
9月になりました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
今月も元気に経営サポート隊通信をお届けいたします!
【河合由紀子のちょっとイイ話】
今月は「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書(致知出版社)」から、大創産業創業者、矢野博丈氏の「本当の商人の謙虚さ」というお話をご紹介したいと思います。
『店の数か増えるということはとても怖いです。私は増やすな、増やすな、と言い続けていたんですが、百円均一という商売が珍しかったので結果的にここまで増えてしまいました。食料品と違って、うちの扱う家庭用品は、例えばカップ一つ取ってみても、普通の一般家庭では六個あれば十分ですよね。十個も必要ない。ティーセットにしても、家庭用とお客さん用で二セットあれば十分です。
ですから、店が増え続けた先には断崖絶壁というか、売れなくなる時が待っているわけで、そうなると兎のように早く増やすより、亀のようにゆっくり増やした方がいい。かつて夜逃げした時に、東京に着いたらどうすればいいんだ、とゴールに近づけば近づくほど怖くなりましたが、あの心理と全く同じなんです。
もし倒産したら、女房とどこか山奥に逃げて温泉宿に雇われて、女房が賄いをして、俺が風呂たきをしよう。でも女房は別れると言うだろうから、俺は自殺するんだろうなとか、そういうシーンがよく頭をよぎるんですよ。でも自殺をするのは怖いですから、常日頃努力するとか、質素にするとか、頑張るとかいうことは何ともない。逆にとても楽しいんです、
そういう意味では、イトーヨーカ堂の創業者、伊藤雅俊名誉会長とお会いした時の印象は強烈でした。従来の経営者というのは泰然自若として、見るからに大物というイメージがありましたね。トップがあまり細かいことに口を出すと、人が育たないから駄目だという観念がありました。
ところが伊藤会長は、社員のやることに対して一から十まで、いや一から百までああだ、こうだと叱っておられる。当時売り上げが一兆三千億円だったと思いますが、イメージ的にはそこらの酒屋のおやじとほとんど変わらない。あの姿を見て、日本の経営者理論は間違っているなと私は思いましたね。
日本人は謙虚と言うものを、お坊さんの謙虚と勘違いしている。本当の商人の謙虚というものは、生きるために必死になっている姿。それこそが商人の謙虚だと思いました。だから、私はそれまで社員を怒ったことはなかったんですが、伊藤会長にお会いした日を境に怒れるようになりました。それも必死に。
伊藤会長のお話の中で、今でも忘れられないのは、「いいですね、潰れる心配のない会社のオーナーは」と言いましたら、「馬鹿やろう、俺だって月に一回はつぶれる夢を見るよ!」と。もしいま全社員が百万円くれと要求してきたら、あっという間に三百八十億円ふっ飛ぶんだと。もしいま台湾と中国が戦争を始めたら、もし天変地異が起きたら、もしうちが何か事故を起こして新聞で叩かれたら、と。だから、うちは決して安定の中にいるんじゃない。いつ潰れるか分からないんだと怒られました。そのすごさ。やはりこれは、売れるプロセスを重視する伊藤会長の、人生観からくる強さですね。』
前半の矢野氏の素直で悲観的な考え方が極端すぎて、最初に読んだ時には少し笑ってしまいましたが、規模の大小にかかわらず、最悪を考えながら最善を尽くすことの大切さを改めて教えられました。
CATEGORY
ARCHIVE