Vol.172 2026年4月号
2026年04月01日
4月になりました。
気候も良くなり新しいことを始めるのにも良い季節ですね。
今月も元気に経営サポート隊通信をお届けいたします。
【河合由紀子のちょっとイイ話】
今月は『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書(致知出版社)』からトヨタ自動車代表取締役を務めその後も同社の相談役の他、多くの大企業の取締役や監査役を歴任した張富士夫氏のインタビュー記事をご紹介したいと思います。
『私が弟子入りした頃、大野耐一は既に20年にもわたってムダのないつくり方を有してきた大ベテランで、私は現場へ出る度に、「この無駄が見えんのか」と叱られたものです。
最初に言われたのも「いいか張、現場には仕事とムダの二つしかないと思え」ということでした。組み立ての現場へ行くと、ネジを締める時にピピピッという音がします。大野はそこで私に目をつむるように言い、「いま聞こえる音が仕事だ。音のしないところは全部無駄だ」と言うのです。これはちょっと極端な例ですけど、私はそのようにして、現場でものの見方を大野から教わってまいりました。
無駄にもいろいろありますが、トヨタでは手待ち、二度(三度)手間、やり直し、不良、運搬、つくり過ぎの無駄を徹底して削減してまいりました。
手待ちというのは、仕事がない状態を言います。例えば、材料を機械にセットしたら刃物がダーッと動き出します。その間は手を出せないのでただ見ていると、それはもう仕事ではなく、手待ちの無駄になっているというわけです。
あるいは部品の加工が一回で済まずに、もう一回同じことをやるのは二度手間になります。また、部品を適当な場所に仮置きして、後でまた移動することもあります。最初からちゃんと置き場を決めておかないので、やり直しの無駄が生じてしまうのです。
それから、不良を出してしまうと、別のもので充当しなくてはなりませんから、これも無駄。さらに運搬の無駄というのもございます。フォークリフトなどが何も載せずに工場内をグルグル移動していると、「流しのタクシーじゃないんだぞ」と叱られるわけです。運搬の詰め所をきちっと定めておいて、信号がでたらすぐに部品を載せて持っていき、空箱を持って帰る。そうやって運搬の無駄を省けば余剰な人員も明らかになるのです。
そのように、ムダの削減については先輩からうるさく言われたものですが、中でもトヨタのものづくりの一番の特徴は、最後に挙げたつくり過ぎの無駄を省いていくところにあるでしょう。つくり過ぎの無駄を省くことが、ジャスト・イン・タイムのものづくりの鍵を握っているのです。』
現場でどのようにトヨタ流の考え方が教え込まれているのか、垣間見えるお話だと思います。どんな会社でも、この会社は何をお客様に提供しているのか、ということを社員全員、それこそ総務、経理、人事など直接商品とは関係のない仕事をしている人でも心に留めて仕事ができているかどうかによって、会社の社風、空気、ルール、考え方など全てが変わってくると思います。








