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経営サポート隊通信
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Vol.171 2026年3月号

2026年03月02日

桜の季節になりました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
今月も元気に経営サポート隊通信を
お届けいたします!

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】

今月は、かんばん方式など生産管理のあり方として世界的に有名となった“トヨタ生産方式(Toyota Production System、略称TPS)”を体系化したことで有名な大野耐一氏の著書『トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして―(ダイヤモンド社1978年発行』から抜粋してお届けしたいと思います。

『生産効率、管理効率、経営効率など、効率なる言葉がしばしば使われるが、なぜ現代の企業が「効率」を追求するかといえば、それは企業目的の根幹ともいうべき、「原価の低減」を実現するためである。

トヨタに限らず製造企業の利益は、原価を低減してこそ得られるものである。かかっただけの原価に利潤を上のせして値段を決定するような「原価主義」の考え方は、最終的なツケを消費者に回すようなもので、いまの自動車企業にとって、縁のない状況である。

われわれの製品は自由競争市場において、冷厳なる消費者の目によって選別されている。

製品の原価がいくらかかったかということは、消費者には関係のないことである。その製品が消費者にとって価値あるものかどうかが問題なのである。かりに高すぎる原価から導き出された高い価格を設定したとしても、消費者にソッポを向かれてしまうだろう。

社会性の強い製造企業にとっては、自由競争市場で生き残るためには、原価の低減こそ至上命令なのである。

高度経済成長時代、量の関数の下でのコスト・ダウンはだれにもできたが、低成長時代の現在、いかなる形のコスト・ダウンといえども、容易にはできない。もはやコスト・ダウンには奇策はない。

人間の能力を十分に引き出して、働きがいを高め、設備や機械をうまく使いこなして、徹底的にムダの排除された仕事を行うというごく当たり前の、それでいてオーソドックスかつ総合的な経営システムが要請されている。

「徹底したムダの排除」というトヨタ生産方式の基本思想を支える二本の柱について述べてきたが、この生産システムは、日本の風土から生まれるべくして生まれたものであり、しかも世界的に低成長経済時代を迎えた現在、どんな業種にでも効果の発揮できる経営システムであると思う。

(中略)トヨタ生産方式の基本思想及び基本をなす骨格を順次、述べてきたが、それらはいずれもはっきりとした目的とニーズがあって具体化されてきたことを強調したい。

今でもトヨタの現場の改善はニーズに基づいて行われている。ニーズのないところで行われる改善は思いつきに終わったり、投資しただけの効果を得られなかったりすることが多い。「必要は発明の母」である。現場に対していかにニーズを感じさせるか、これが全体の改善を大きく進める鍵であるといってもまちがいではあるまい。

私自身、これまで述べてきたトヨタ生産方式を一つ一つつくり上げてきたことも、「三年でアメリカに追いつく」ために、ムダを排除する新しいつくり方を見つけ出さねばならないという強烈なニーズに基づいたものであった。』

半世紀近く前に初版が出版された本書ですが、今の時代にも通じる原理原則がたくさんあります。経営の根本的な考え方までカバーしていますので、大野氏が述べているようにどんな業種にも参考になることがあると思います。とても読みやすい本ですのでおススメです。


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