Vol.167 2025年11月号
2025年11月04日
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
今年もあと2ヶ月ですね。
今月も元気に経営サポート隊通信をお届けいたします!
【河合由紀子のちょっとイイ話】
今月も先月に引き続き、プレジデントオンラインの記事からチョコレート・ブランド「メゾンカカオ」の創業社長、石原紳伍氏のインタビューをお届けいたします。
メゾンカカオは、ANA国際線ファーストクラスや即位の礼の各国首脳への機内手土産として採用されるなど、高い評価を受けています。石原氏は、学生時代はラグビー選手として活躍、大学卒業後に入社したリクルートでは営業成績の新記録を達成、将来の幹部候補として順風満帆な人生を歩んでいましたが、退職してチョコレートのブランドを立ち上げたという異色の経歴の持ち主です。いよいよ今月は最終回。石原氏がなぜ鎌倉を創業の地に選んだのか、今後何を目指していくのか、先月から引き続きご紹介いたします。(プレジデントオンライン 山田清機2025年5月23日)
『「鎌倉は海を介して宋との貿易を始めた都市であり、禅の精神を日本に広めた都市でもあります。鎌倉というと武士が作ったイメージが強いと思いますが、禅的な美意識の強い町でもあると同時に、実は文士が作った町でもある。こうした背景もあって、鎌倉には文化の変化を受け入れるソフトな感覚があるのです。湘南地方は移住者が多い場所ですが、サーフカルチャーに象徴されるように、鎌倉には過去の歴史をフィーチャーしつつ新しいものを理解し受け入れていく環境がある。裏返して言えば、京都のような排他性がない。メゾンカカオが鎌倉を選んだ理由はそこにあります」
開業当初、老舗が軒を連ねる鎌倉では1年もたないだろうと噂されたそうだが、メゾンカカオは今年、開業10周年を迎える。それには鎌倉という「場所」の力も寄与しているということだろうか。
「鎌倉は店舗ごとの固定ファンが強く歴史の長いものを信頼する空気がある一方で、鶴岡八幡宮の宮司さんなんかもまさにそうなのですが、進化や新陳代謝を拒否しない探究心や許容力がある文化もあり、サーフカルチャーが存在することでそのふたつが融合しているのです。そこが鎌倉の大きな魅力ですね」
メゾンカカオの生チョコレートには、海塩を使った「SURF」という商品がある。創業10周年を迎えたメゾンカカオは、鎌倉発祥であることを、今後どのようにしてブランディングに結びつけていくのか。シャンパーニュのように、KAMAKURAがチョコレートの代名詞として世界に認知される日が来るのだろうか。石原さんは、100年かけて日本にチョコレート文化を創造していくことを自らのミッションとして掲げている。俗に食は三代と言うが、100年といえばほぼ三世代である。
「まだ、何の達成感もありませんが、100年続くブランドの基礎を僕が社長をやっている間に作りたいと思っています。10年目にはこんなことをやった、20年目にはこんなことがあったと、いまは、未来に向けた手紙を書いている最中だと思っているのです」
メゾンカカオはコロンビアのカカオ農場とパートナーシップ契約を結ぶだけなく、財団を設立してコロンビアに学校を建てるプロジェクトも推進しており、すでに複数の学校を建設している。ご存じの通り、コロンビアは麻薬の原料、コカの一大生産地でもある。そしてカカオの生産地とコカの生産地は重なっており、麻薬に起因する児童虐待も多く学校に通っていない子どもも多いという。そうした地域に学校を建てることは、コロンビアが100年永続するブランドのパートナーであることを考えれば、「それは僕の夢でもあったし、必要不可欠で当然のことでした」と石原さんは言い切るのである。
「僕が生きているうちには叶えられないことが多いと思いますが、100年後、メゾンカカオがどのようなブランドになっているかは、今行うすべての意思決定によると思います。未来は今、作られている。その覚悟と信念を持って仲間と進んでいきたいです」』
いかがでしたか?夢を長い時間軸と世界との関りという広い視野で語る石原氏、未来は誰にも分りませんが、分からないからこそ向かっていく方向を決めることが、未来への道を切り開く道しるべとなるのだと思います。








