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今月の金言
今月の金言

2024年3月の金言

2024年03月01日


Vol.147 2024年3月号

2024年03月01日

まだまだ寒い日が続きますが
皆さま元気でおすごしでしょうか?
今月も元気に経営サポート隊通信をお届けします!

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】

今月は2024年2月10日日経新聞掲載の、伊藤忠商事会長岡藤正広氏のインタビュー記事『「謙虚は美徳」もう古い 伊藤忠会長CEOが喝』をご紹介します。

『バブル崩壊直後の1990年代から「失われた30年」が続いてきた日本で、企業が攻めの姿勢に変わり始めた。伊藤忠商事は残業禁止など大胆な働き方改革を断行したほか、リスク覚悟で巨額投資を決断し、利益水準で三菱商事や三井物産と争うまでに稼ぐ力を高めた。岡藤正広会長CEOはグローバルで勝ち抜くために、日本の伝統的な企業習慣を断つ必要性を説く。

スイスの国際経営開発研究所(IMD)がまとめた2023年の世界競争力ランキングで、日本は35位で過去最低になった。日本企業は攻めの姿勢が出てきたが、ランキングは低いままだ。

「私はこの調査を別の視点で見ている。政府や国際機関などが公表する客観的な統計データによる評価と、企業経営者へのアンケート評価を組み合わせている。国内総生産(GDP)などの統計データの評価は16位だが、経営者の主観で答えるアンケートで自国に対する評価が低く、合算すると35位になっている」

「これは経営者を含む日本人が非常に謙虚で、自己評価に厳しいということの表れである。違う視点で見るとそれだけ自信を失っている。世界の国で日本人のように控えめに謙虚に自分を評価する国がいくつあるか。自己肯定的な国は山ほどある。そういう国は自己主張しないと遅れていくので必死だ」

「過度に謙虚な姿勢は弱腰とみられる。相手は謙虚な人とは判断しないため、国際競争力では不利になる。謙虚さは強さと自信に裏打ちされたものでないといけない。相手から見下されると、自信がないと思われる」

――「謙虚は美徳」は日本企業の伝統的な習慣として根付き、上意下達の風土にもなっていた。なかなか変えられないのはなぜだろうか。

「謙虚さや律義さは大事だ。日本人は昔から製造業で納期をしっかり守り、信頼されている。ただ、モノやサービスを売るだけでは勝てない。100%完璧を求めすぎている」

「日本は島国で長く鎖国時代があった。攻められるリスクがないため、自分を大きく見せる必要はない。中国や韓国は攻められた歴史があり、常に強い姿勢で臨んでおり、迫力がある。ビジネスの交渉現場でも威圧感は大事だ。日本人は謙虚さを捨てる必要がある」

岡藤氏は日本がものづくり大国という考えは時代錯誤と指摘する

――謙虚さを捨てるだけで、日本は世界で勝てるだろうか。

「以前は世界が驚く日本製品が多かった。今は世界を席巻したソニーの『ウォークマン』のような商品は見当たらない。技術が衰えているわけではない。日本人は優秀な頭脳とお金を川上と川中に集中し過ぎているのが課題だ」

「日本企業の多くは素材や部品を作っている。最終製品に仕上げるのは米国であり、中国や韓国だ。日本企業の取り組みは、消費者が目に見える形で表に出ない。欧州の高級ホテルに行くと、昔はテレビはソニーやパナソニックだったが、韓国のサムスン電子やLG電子に変わった。海外に日本製品がないと、負けた気持ちになる」

「日本は『ものづくり大国』と言われてきたが、時代感覚がずれている。グーグルやメタなどテック企業のように、ITで稼ぐことが重要になる。ハードからソフトへ移行することが求められる」』

この後、朝型勤務、出生率、米大統領選について話が続きます。続きは来月に…


2024年2月の金言

2024年02月01日


Vol.146 2024年2月号

2024年02月01日

2月になりました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
今月も元気に経営サポート隊通信をお届けいたします!

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】

今月は12月に取り上げました、日経ビジネス電子版の記事『アマゾンのジェフ・ベゾスがウォルマート創業者から盗んだアイデア』(2023.8.18)の続きをご紹介したいと思います。(先月にご紹介する予定でしたが、年始のご挨拶の記事を掲載いたしましたので、今月にご紹介させていただきます。)

『自前で物流網を持つことへのこだわりもウォルマートが手本といえます。ウォルトンはウォルマートの物流の優位性についてこの本でこう述べています。「率直にいって、わが社の物流システムは、小売業界はもちろん、他の多くの業界からも羨望の目で見られている。……わが社の店舗が取り扱う商品は八万品目を超えるが、これら商品の85%を自社の物流センターから直接補充している。……その結果、各店がコンピュータで商品を発注してから実際に納品されるまでにかかる日数は、他社が一般的に5日以上であるのに対し、わが社では平均わずか2日である」ウォルマートは自前の物流システムを構築することで、時間だけでなくコストも削減しました。物流コストを低減することで、「仮に同じ商品を同じ売価で売ったとすれば、わが社は他社より1.5~2%も余分に利益が出る計算になる」とウォルトンは述べています。アマゾンも自前の物流センターを持つことで、配送スピードでライバルのネット小売りに対して圧倒的な優位性を持つようになりました。創業期に資金が足りなかった多くのネット小売りが物流をアウトソーシングしたのとは対照的ですが、配送に時間がかかる米国では際立った競争力になりました。しかもアマゾンはロボットなども活用して低コストで効率的な物流システムを実現しており、低価格で商品を売っても利益が得られる体制を構築しました。

このほかにも経営陣が自由に経営しやすいように労働組合をなるべく作らせないようにする一方で、従業員には自社株を付与して(ウォルマートでは株式購入優先権)会社と一体感を持たせ、株価の上昇で報いる仕組みを導入するなど、両社の類似点は枚挙にいとまがありません。べゾスはウォルトンの経営手法に心酔していました。べゾスから私のウォルマート商法をもらった人物によると、「優れたアイデアを競争相手から拝借する」というくだりに下線が引いてあったそうです。ウォルマートの経営ノウハウを取り入れるために、べゾスは同社の経営人材も引き抜きました。それがリック・ダルゼルです。ウォルマートのIT部門の幹部でしたが、1997年に創業期のアマゾンに入社し、2007年11月までアマゾンのCIO(最高情報責任者)や上級副社長を務めました。アマゾンの成長を支えるテクノロジーやソフトウエア、サービスの基盤を構築するという重要な役割を担いました。

ウォルトンの著書からべゾスが学べることはほかにもありました。巨大企業になったときに社会から受ける猛烈な反発とどう向き合うかです。ウォルマートの成長と歩調を合わせて、多くの小規模店が廃業するようになります。ウォルマートは「よきアメリカの田舎町を破壊する敵だ」と非難され、目の敵にされるようになりました。「完全に成功した大企業になると、突然敵役にされるのだ。というのも、どうやら誰もが、トップに立つものを打ち落とすことが好きらしいからである」。このようにウォルトンは述べています。アマゾンも急成長を続けて大成功を収めるようになると、小売業の“破壊者”と見なされるようになりました。アマゾンの収益拡大などの影響を受けて業績が悪化しそうな米国の小売関連の上場企業54社以上を対象にした「デス・バイ・アマゾン(アマゾン恐怖銘柄指数)」も生まれたほどです。アマゾンの物流拠点における労働環境が批判され、労働組合を結成しようとする一部の従業員の動きも注目を浴びるようになりました。かつてのウォルマートと同じように、強大になったアマゾンも社会に受け入れられ、愛される企業になることが求められています。

ウォルトンはこの本の最後でアマゾンの登場を暗示するような言葉を述べていました。「ウォルマートのようなサクセス・ストーリーは、今の時代でも可能なのか? もちろん可能だ、というのが私の答えだ。今この瞬間にも、素晴らしい発想をもった誰か、何万人もの人々が、成功への道に向かって歩み始めている。何としてもそれを達成したいという情熱さえあれば、成功は何度でも起こり得る。必要なのは経営について絶えず学び、絶えず疑問を抱く姿勢とそれを実行する意欲だけである」 経営について絶えず学び、疑問を抱く姿勢を持ち続ける一方で、強烈な実行力も持ち合わせたべゾスは、ウォルマートをはるかに凌駕する株式時価総額を誇る巨大企業にアマゾンを育てました。』


2024年1月の金言

2024年01月09日


Vol.145 2024年1月号

2024年01月09日

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
皆さまにとって2024年が素敵な年になりますように!!

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】

年の初めに当たり、皆さまどのようなことをされますか?

初詣、お年玉、お節料理、年賀状、かるた取り、こま回し、凧揚げ、書初め…。お正月といえば、ということで思い浮かぶことを挙げてみましたが、子どもの遊びは最近は変わってきているのかもしれません。私の小さいころは、お正月は大人はゆっくりしているので、時間を持て余してトランプやUNOなどカードゲームばかりしていたような記憶があります。

子どものころは1年がなかなか過ぎず、早く時間が経って大人になりたいなどと思っていたものですが、大人になってみると、本当に1年過ぎるのがあっという間で、1年どころかすぐに5年10年と経っていきます。だからせめて年に1回お正月には強制的に未来のことを考えるようにしています。

人生100年時代と言われていますが、私にはあと何年あるのだろう。というところから思考をはじめ、この世を去る時、どんな人だったと言ってもらいたいかを考えます。その時々で変わることもありますし、変わらないこともあります。人には色々な側面がありますから、それぞれの側面から考えると整理しやすくなります。例えば私は女性であり、母であり、妻であり、娘であり、姉であり、友人であり、税理士であり、上司であります。他にももっとあるかもしれません。そして将来なくなる役割もあれば新たな役割が加わるかもしれません。ただ現時点で持っている役割の中で、今どの役割にたくさん時間を割いているのか、将来はどのような役割が多くなると思われるのか、といったことを整理しながら考えて、今生きている人生から将来のイメージを描きます。例えば私なら、この世を去る時どんな母であったと言われたいか、どんな妻だったと言われたいか、どんな仕事をする人だったと言われたいかなどなど、すべての役割にたいしてどんな〇〇だったと言われたいかを考えます。そしてそのような「私」にたどり着くために、今何ができるのかを考えます。そのうえで、これから3年間で達成したい目標を考え、さらにそれを1年ごとに考えます。

確かなことは、人間には必ずこの世を去る時がくるということです。日々元気に生きていると、ついつい忘れてしまいがち、というより常に考えていたら楽しく生きていけないので考えないようにできているのかもしれませんが、たまには立ち止まって考えることが、明日からの活動の原点になるのではないでしょうか。
企業経営も同じです。ただ、企業は承継されれば人間より長く生きることができます。企業を長生きさせることができるかどうかは、日々の経営者の判断にかかっています。その方向性を見直す機会を1年に1度は設けられることを強くお勧めします。

カワイ税理士法人では、お客様が自社を見つめなおし将来を考えられる際のお手伝いをしております。日々の業務に追われてあっという間に毎日が過ぎていく…。なかなかそんな時間はとれない…。とお考えの方も、1日だけ自社あるいはご自身と向き合う時間をとってみてください。今考えられていることがすっきりし、将来を描くことができ、明日から何をするかにつながります。良い一年のスタートを!!


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