経営サポート隊通信 | 大阪の経営支援ならプラス・パートナー
今月の金言
今月の金言

2023年3月の金言

2023年03月01日


Vol.135 2023年3月号

2023年03月01日

3月になりました。
寒さの中にも春の日差しを感じるようになってきました。
皆さま元気でお過ごしでしょうか?
今月も元気に経営サポート隊通信をお届けいたします。

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】(日経ビジネスオンライン2023.2.24)

今月は、アスリート御用達のマットレスとして知られる「エアウィーヴ」を開発し、世の寝具に新たな価値を提供した高岡本州氏のお話を抜粋してご紹介します。

『私は1960年に名古屋市に生まれました。父は配電用機器メーカー日本高圧電気(愛知県大府市)の創業社長です。高等教育を受けられなかった父は苦労して事業を成長させました。しつけに厳しく子供の頃、私も2人の姉も家の庭の松の木に縛り付けられることも。父は「能力がない人物が社長になるべきではない」と言っていましたが、祖母らからは「あれだけ苦労して会社を大きくしたのだから、将来は継がないといけない」と言われつつ育ちました。中学・高校では理系の科目が得意でした。父の意向もあり高校卒業後は名古屋大学工学部に入学。専攻は電気が第1希望でしたがかなわず、応用物理学科を学びました。父から離れたい気持ちから卒業後は名古屋を離れ、慶応義塾大学大学院経営管理研究科に入りました。経営学修士号(MBA)を取得する頃には外で働きたい気持ちが強く、当時の長銀経営研究所から内定をもらいました。しかし、父は私に家業入りを説得。大学院で学んだ私は父が育てた300人規模の会社をゼロから立ち上げる大変さを理解しており、迷いました。

85年、「体調がよくない」という父の嘘に乗って父の会社に入社しました。ただ、入ってすぐ留学しています。語学の大切さを痛感していた父の考えです。私は奮起して米スタンフォード大学大学院の経済システム工学科修士課程に進みました。キャンパス内に住み毎日3時間睡眠で学ぶ日々。ビジネススクールには起業家を目指す人も多く刺激を受けました。2年後に修了し、26歳で日本に戻りました。

慶応、スタンフォードでの経験を経て家業を俯瞰すると、会社は父の「個人商店」でしかなかった。学んだ世界とかけ離れていたのです。ただ、父も「電力機器だけではいつかダメになるかもしれない」と考えていたようです。新規で建材事業に挑んでおり、私は同部門に配属されました。製品開発が中心の最初の2年はよかったのですが、マーケティングの段階で事業の難しさに気付きました。父は理屈抜きで「できる」と考える人でした。私がロジックで意見すると、父は一部を認めるものの、核心については自分の考えを貫いた。度々、ちゃぶ台をひっくり返すようなけんかをしましたよ(笑)。

転機は外の目を取り入れたこと。父も新規事業に問題があると気付いていました。「指導を受けられる先生はいないか」と父が聞くので、慶応の恩師である奥村昭博先生にアドバイザーで入ってもらいました。奥村先生は色々な経営者を見ており、「この会社はお父さんがつくった以上、お父さんを否定してはいけない」「新事業はマイナスかもしれないが、それも創業者のさが。本業はプラスだからマイナスプラスの差が一つの価値」と言われました。社内を見回すと父は社員からの信頼を得ていた。父の会社の幹部からも「戦国時代でいうと地方の小さな大名の息子みたいなもの。おやじとけんかをしても始まらない」と言われ、ハッとしました。「父を継いで会社を存続させるのは宿命」と自覚し、自分なりの努力を続ける気持ちになりました。入社して13年後、37歳で2代目社長に就任しました。2年後、経営者の判断として私は父の始めた新規事業の撤退を決定。それでも創業者のさがか、父は別会社で再び新たな事業を始めました。業績は全体として順調であり、製品は父の代から一貫して電力会社や鉄道会社から高い評価を得ていました。』

いかがでしたか?高岡氏は、創業者を親に持ち、一旦父親とは別の道を歩もうとします。しかし、事業を継ぐことを宿命と自覚し、この後、父の育てた土壌を生かして新規事業であるエアウィーブを育てます。エアウィーヴ開発時のお話は来月号に続きます。


2023年2月の金言

2023年02月01日


Vol.134 2023年2月号

2023年02月01日

2月になりました。
寒い日が続きますが皆さまお元気でおすごしでしょうか?
今月も元気に経営サポート隊通信をお届けいたします。

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】(日経ビジネスオンライン2023.1.23)

今月は、『嫌われる勇気』の著者で、アドラー心理学の第一人者である岸見一郎氏によるリーダーの在り方についての記事をご紹介します。

『私は普段一人で仕事をしているので、他の人から影響を受けることはありませんが、人が集まって仕事をするのであれば、他の人の気分や機嫌がまわりの人に影響を及ぼします。

朝から不機嫌な人は、自分だけではなくまわりの人にも好ましくない影響を与えています。「まわりに気を遣わせるな、甘えるな」と部下を一喝する上司が登場するドラマを見たことがあります。本人はまわりに気を遣わせることで自分に注目を集めようとしてることに気づいていないでしょう。

リーダーも対人関係の中で働いているので、リーダーの気分は部下に影響を及ぼします。いつも不機嫌で部下に当たり散らすようなリーダーは有能とはいえません。どんな仕事も一人ではできないので、皆の協力が必要です。それにもかかわらず、部下を威嚇するようなリーダーの前で部下は萎縮してしまい、能力を発揮することができないからです。気分が安定し有能なリーダーであれば、部下から嫌われることはないでしょうが、敬して遠ざけられることはありえますし、部下はそのようなリーダーを見て、とてもあんなふうにはなれないと、劣等感を持つかもしれません。

ローマ皇帝のマルクス・アウレリウスが、死にゆく時にこんなことをいう人がいない人は幸福だろうといっています。「我々はこの『先生』から解放されて一息つけることだろう。彼は我々の誰にもつらく当たったりはしなかった。しかし、私は彼が無言で我々を断罪していることを感じていた」(『自省録』)

敬していても遠ざける人がいるのは、リーダーが何もいわなくても自分が「断罪」されていると思うからであり、その意味では嫌われているのです。有能なリーダーのもとで働く人は自分の考えで動き失敗するよりも、リーダーの指示通りにした方がいいと考え、リーダーに依存的になることがあります。

リーダーの方も部下に任せずに自分で手がけた方が問題は起こらず速く仕事ができるので、自分は有能であると優越感を持つことになります。しかし、自分が無能であると断罪されていると思わせたり依存的にしたりし、そのため部下が進んで仕事に取り組まず能力を伸ばせなくするという意味では有能とはいえなくなります。

部下に劣等感を持たせず依存的にもしないためには、まず、仕事を任せるしかありません。失敗しても指導はしても責めないことで、部下の失敗は自分の教育が十分でなかったと考えることです。

次に、部下が失敗しても、決して「断罪」しない、つまりできない部下だとは見ないということを宣言しておくことです。

さらに、話を聞く姿勢を見せることです。どんな時にこの人に話をしようと思うかといえば、決して途中で話を遮られず、最後まで話を聞いてもらえ、決して批判されないと思える時です。最後まで話を聞かず、批判してしまうと、二度と進んで話を聞いてもらおうとは思わなくなるでしょう。

働きやすい環境を作るのはリーダーの重要な仕事です。』

いかがでしたか?多かれ少なかれ、思い当たることがある方がいらっしゃるのではないでしょうか。リーダーは部下の力を伸ばし、それを最大限に発揮する環境を整えること。そのための環境を整えることが重要な仕事なのですね。


2023年1月の金言

2023年01月05日


Vol.133 2023年1月号

2023年01月05日

明けましておめでとうございます。
新しい年の始まりですね。
気持ちを新たに今年も皆様のお役に立てるよう一同精進いたします。

何卒今年もよろしくお願いいたします!!

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】

皆さま良いお正月をお迎えのことと思います。
ところで、毎年決まってしておられることはありますでしょうか?お正月といえば初詣、お節料理、お年玉など色々ありますが、一年の初めに目標を立てられる方も多いのではないかと思います。

我が家では、毎年その年のそれぞれの目標を家族で発表し合うという習慣がいつの間にかできており、お正月の朝の恒例行事になっています。発表の際には、必ず昨年立てた目標の達成度合いはどうかという振り返りから話がはじまります。しかし、振り返りをする際に、年に一度の行事ですので、まず目標を思い出すということになります。思い出さなければならない程度の状態ですので、達成度合いは行き当たりばったり。新しい年の始まりなので気持ちを新たに!と気合を入れてせっかくチャレンジしようと心に決めたことも、日常生活が始まると、日々のせわしなさに紛れてしまい、結局目標を立てただけということになってしまいます。

そこで、今年は目標を見えるところに貼って、毎月その話を話題にすることにしてみようと思います。目標といっても堅苦しい目標ではなく、「ゴルフで100を切る」「英語の勉強を毎日30分する」「学校を休まない」「本を〇冊読む」など身近な事柄ですので、楽しく進められると思っています。ただ、状況を知るためには、目標に対して実際はどうだったか、記録が必要になります。無理なく記録を付けられる方法を探し、実践し、振り返ると一年後どうなっているか楽しみです。

ここまでで、もうお気づきの方も多いと思いますが、個人の目標管理も組織の目標も管理も同じ流れなんですね。目標を立てることは機会があればできるのですが、それを日々の行動につなげることが難しい。そこで、定期的な振り返りと、振り返りをするための実績がわかる記録が必要なのです。

我が家では私が進捗管理をこっそりしていく予定ですが、どのような組織でも中心となって進捗管理を進めていく人が必要です。そうでなければ、我が家の毎年の目標発表会のようにその場は盛り上がってもそれで終わってしまいますから。

我が家は私が回していきますが、社内だけではなかなか難しいというお話をよく聞きます。こういったことは外部の刺激があると、なおざりにならずに進みやすいからです。弊社ではその仕組みづくりと振り返りの継続的なサポートをさせていただいております。今年こそ、去年とは一味違う組織づくりに取り組みませんか?

目標設定では、まず世界、国内の情勢を考え、業界、わが社に当てはまる変化や機会脅威を考えます。そしてわが社の強みから導き出せる未来を共に考え、具体的に何をやっていくのか目標を設定し、1カ月ごとに振り返りを行い、軌道修正していきます。これを繰り返しながら、目標に近づいていくサポートさせていただくことを弊社ではMAS(マス:Management Advisory Service)と呼んでいます。

今年こそ!と思っていらっしゃる方は是非お問い合わせください!

今年も皆様にとって素敵な年になりますよう、お役に立てましたら一同この上ない幸せです!!

 


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