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経営サポート隊通信
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Vol.128 2022年8月号

2022年08月01日

8月になりました。
暑い日が続きますが皆さまいかがお過ごしでしょうか?
今月も元気に経営サポート隊通信をお届けいたします!

 

【河合由紀子のちょっとイイ話】

今月は、日経ビジネスオンラインから、「嫌われる勇気」の著書、アドラー心理学の研究者として有名な岸見一郎先生の記事をご紹介します。(日経ビジネスオンライン 2022.7.21「孤独なリーダーができること」)
『ローマ皇帝であるマルクス・アウレリウスが日々の思いを包み隠さずノートに書きつけていった『自省録』に、次のような文章が記されています。
「早朝に自分に向かっていえ。私は今日もお節介で恩知らずの傲慢な欺瞞(ぎまん)的な嫉み深い非社交的な人間に出会うだろう」(『自省録』)
「彼らは互いに軽蔑し合いながら互いにへつらい合う。そして、相手に優越しようと欲しながら互いに譲り合う」(前掲書)

アウレリウスは皇帝でありながら、裏切りや謀略に悩まされていました。まわりにいる人が自分の味方ではないかもしれないという不信感を持ち、いつも孤独であったように見えます。

早朝にこのようなことを書いたのは、不意に嫌な人に出会うことになるよりも覚悟しておいた方が、実際にこのような人に会った時の衝撃は少なくてすむという思いからだったのでしょう。

リーダーとして自信満々の人でなければ、『自省録』の中に心に響く言葉をいくつも見つけることができるでしょう。

アウレリウスは、人間の力の及ぶことと及ばないことがあると考えます。自分のことをよく思わない人がいることは、力が及ばないことですが、力が及ぶことはあります。
「最初に現れる表象が伝えること以上のことを自分にいうな。何某がお前のことを悪くいっていると告げられた。それは確かに告げられた。だが、お前がそれによって害を受けたとは告げられなかった」(前掲書)

何か外に起きたことの印象(表象)が感覚器官によって心の中に刻印されるのですが、それが正しいとは限らないとストア哲学では考えます。

誰かが自分について何かを話しているというのが「表象」です。その事実だけを受け入れ、その表象が伝える以上のこと、つまり、それが「悪口」であると判断してはいけないのです。

たとえ、それが事実悪口であっても、それによって害を受けるわけではありません。伝聞であれば、なおさらそのような判断が正しいとは限りません。

できることは二つです。まず、自分のことがよく思われていないのではないかと疑心暗鬼にならないことです。自分がどう思われるかを気にしてばかりいる人は、自分にしか関心がないのです。

次に、もしも部下の言動が気になるのであれば、はっきりと指摘してもらうように部下に伝え、その際、決して自分の人間としての好悪ではなく、リーダーとしての自分の言動について意見をいってほしいと伝えることです。

アウレリウスは、人間を強く嫌悪していたという人もいますが、たとえそうだったとしても、自分にはするべきことがあることを知っていました。アウレリウスにとってそれは皇帝としてローマ帝国を統治することでした。

リーダーも自分がどう思われるかというよりは、組織にとって何が有用なのかに関心を向けなければなりません。自分の有利になるよう近づいてくるような人は遠ざけなければならないのです。』
いかがでしたか?リーダーは孤独なものですが、自分がすべきこと、つまり組織にとって何が有用なのかに焦点を当てて考えることを中心に判断することが、リーダーとしてなすべきことであり、心にその考えを置き続けることにより、リーダーとしての正しい振る舞いが可能になるのですね。

 


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