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経営サポート隊通信
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Vol.122 2022年2月号

2022年02月01日

早いもので年が明けて1カ月が過ぎました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
今月も元気に経営サポート隊通信をお届けいたします!

【河合由紀子のちょっとイイ話】
新型コロナウイルスが変化を続けながら世界中に蔓延し、人間はなかなか思うような行動ができない日々が続いています。やっかいなウイルスですが、彼らは生き残るために自ら変化し続け、絶滅させられないように工夫をし続けているように見えます。人にとっても組織にとっても、生き残るために変化を続けることが大切なんだと改めて感じさせられます。
今月は、一倉定氏の著書の中から、社員の指導に際して、『云わせてはならないこと』のなかから一節をご紹介したいと思います。(一倉定の社長学シリーズ「内部体勢の確立」(日本経営合理化協会出版局)より)

『社員が社長の指令をはねつける伝家の宝刀がある。それは「ムリですよ」という言葉である。これに対して「ムリではない」と云うのは、明らかに社長の負けである。ムリかムリでないかは完全な水かけ論であって、決着は絶対につかないからである。社員が伝家の宝刀を引き抜いて身構えているのであるから、まずこの宝刀を叩き落さなければならない。これは意外に簡単である。「そうだ、社長もムリと思う」と云えばよい。社員の主張を社長が認めてしまえば、社員はもう何も云うことがなくなるのだ。宝刀を叩き落したら、こちらから切りこむのである。「社長もムリを承知で頼むのだ。やってくれ」と。これで完全に社長の勝ちである。社長にムリを承知で頼まれたら、もう何も云わずにやってみる外はないのだ。
社員が「ムリですよ」と云うのは、できなかった時の予防線なのである。それを「ムリではない」と云えば、これは「できて当たり前、できなければボンクラだ」と云っているのに等しいのである。これでは、社員はたまったものではない。「ムリだ」という主張を変える筈がないのだ。「ムリだ」と社長が認める時には、できなくて当たり前、できたら手柄になるのである。ここのところの“理屈”というよりは“心情”というものを知っていることが大切なのである。それを観念論者は「ムリを云ってはいけない」と教える。ムリかムリでないかは誰がどうやって判定するのだ。低能の発想以外の何物でもないのである。
「僕が社員に要求することは、我ながらムリばかり云っていると感じる。しかし、ムリを云わなければならないのが社長の立場だ。ムリを云わずにいたら会社はつぶれてしまう」と。これは、超優良会社I社長の言である。厳しい現実は、過去においてできなかったこと、ムリなことをやってのけなければ存続はできないのだ。ムリを社員に要求するということは、社長の威厳を示すものでもなければ、社員を苦しめるためのものでもない。それは、会社を存続させるためであり、これがひいては社員の生活を守るためのものなのである。』

冒頭、ウイルスの生き残りをかけた変化について書きましたが、存続のためには、人や組織も社会の変化に合わせて変わることが必要です。そして、変わるためにはムリをしなければならないことがあります。ムリかムリでないかの議論は、なぜムリなことをしなければならないのかという理屈を抜きにした水かけ論であり、組織のトップである社長が存続のために「ムリを承知でやってくれ」というのが、組織が団結して前に向かって進むことのできる姿だと、一倉氏は教えてくれています。


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