Vol.62 2017年2月号
2017年02月03日
こんにちは!
お正月からあっという間に
1ヶ月が経ちました。
今月もしっかり頑張っていきましょう!
【河合由紀子のちょっとイイ話】
前回は、事業承継の中心となるのは後継者であり、会社の「これまで」と「これから」をつなぐ重要な節目になることをお伝えしました。しかし、実際には親(現経営者)主導型の事業承継が多いように感じられます。なぜ、親主導型ではいけないのか?事業の事をよく分かっている人が中心となって進めるべきではないかと思わる方もいらっしゃるのではないかと思います。ここで、親主導型事業承継の弊害についてまとめたいと思います。
まず、事業承継は親(譲る側)にとってどのような意味を持つでしょうか?ワクワクする楽しいことでしょうか?そんなことはないというのが大半ではないでしょうか?本音は、「いつまでも自分が経営していたい」、「本当は任せたくない」、「自分が老いていくことは考えたくない」というところではないでしょうか。
また、株や経営権を渡すことができても、子(譲り受ける側)が自らの力でどのように会社を存続させ発展させていけばよいか、イメージしにくいということも考えられます。これは、親子であっても実際は子の人生ですので、当事者として考えにくいということがその理由です。だから、「こうしてみたら」と戦略を授けることができず、経営者としてどのように育てればよいかアイデアも思いつきにくいのです。
さらに、経営者として現状の会社を回すのに手いっぱいで、将来のことを考える余裕がないという場合もあります。
しかし、最大の問題は子が事業承継をあたかも他人事のようにとらえてしまい、全てが親任せになってしまうということです。そのような後継者は、会社の将来を考えようとはしません。決算書や株主名簿を見て自社を知るという努力もせず、自らの能力を伸ばす努力もせず、当事者としての自覚や責任感が育ちません。跡を継いで経営者になるかどうかは、親が決めることであり、自分はそれに従うだけという受け身の感覚でいるため、事業承継自体が親に押し付けられたように感じる場合もあります。そんな状態では、なんだか自分の人生を歩んでいる気がせず、仕事に身が入らないということにもなってしまいます。
つまり、事業承継を親主導で進めた場合、子が主体性をなくしてしまい、受け身の状態になり、経営者としての自覚と力が身につかないため、自ら将来を切り開いていくことができなくなってしまうのです。
とはいえ、親が主導の事業承継になってしまっている場合が多いのも事実です。なぜそうなってしまうのでしょうか?その理由については、次号に詳しく書かせていただきます。