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経営サポート隊通信
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Vol.103 2020年7月号

2020年07月01日

7月になりました。

皆様いかがお過ごしでしょうか?

今月も経営サポート隊通信を

元気にお届け致します!

【河合由紀子のちょっとイイ話】

(『致知』2020年4月号「生涯、茶の心で生きる」千玄室 より)

今月は、茶道裏千家の前家元で現在数え年98歳になられる千玄室氏の講和記事から抜粋してお届けします。

千玄室氏は千家の長男として生まれ、茶道と共に武家作法で鍛えられたと言います。そして、昭和18年大学在学中の20歳になったころ徴兵検査を受け、特攻隊の編制に加えられます。出撃命令が下り、隊長に呼ばれていくと、突然の「出撃命令取り消し」。忸怩たる思いを抱えながら、京都の実家に戻り、大徳寺で禅の修行に打ち込み、その後、アメリカでお茶の普及活動をするなど活躍の場を広げていきます。

松下幸之助氏が千玄室氏の父の弟子だったこともあり、松下氏が京都に滞在する際にはお屋敷の中に作られた茶室で朝の8時から茶室の準備をするのが常だったそうです。松下氏は「お茶というのはほんまにええもんや。どんな人にも、たった一碗のお茶を、いかがですかと勧め合う。点てていただいた方には、いただきますと感謝をする。こんな教えがどこにある。お茶だけや」と千氏に伝えたといいます。そんな松下氏にまつわるエピソードが紹介されていますので、そのまま抜粋します。

『ある日、松下さんが「僕は大阪のロータリークラブの会員やけど、あまり例会に出席していない。きょう京都のどこかでやっているところがあったらぜひ出たい」とおっしゃったことがあります。たまたま北ロータリークラブがやっておりましたので、先方には何の連絡もせずにそこにご案内いたしました。松下さんが来られたというので、もう皆びっくり仰天です。それ以上に驚いたのは松下さんがご自分から名刺を出し「私、松下幸之助です」と一人ひとりに頭を下げて挨拶を始められたことです。天下の大実業家の松下幸之助さんが自分から頭を下げて名刺を出されるのですから、これには誰もがひっくり返りました。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」とはこのことだなと私も思わず唸りました。』

千氏は、こうして自分が生かされているのは多くの人たちが命を繋いでくれたお蔭だということを決して忘れてはいけない、生きていく上で大事なのはまさにここなのです、と語っています。

特攻隊に配属されながら出撃直前で出撃が取り消され、偶然助かった命ですが、その時の空虚感は今でも続いているそうです。そして、亡くなった戦友に対していまもなお本当に忸怩たる思いを持っておられます。しかし、これまで元気で長生きできたのは、仲間が生かしてくれたのだ、仲間が自分の分も頼むぞと思って守ってくれたという思いを胸に、そんな仲間の分まで頑張ろうと生きてこられたそうです。

そんな千玄室氏は、現在「一盌(いちわん)からピースフルネスを」の理念を掲げ、日本・国連親善大使、ユネスコ親善大使等の国際的要職につき、また、茶道の普及のために国内外を飛び回る活躍をされています。元気で生き生きと、生かされていることに感謝しながらいくつになっても活躍されている姿、お手本にしたいです。


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